
「低金利の今こそ家を買うべき!」そう耳にすることが昨今増えました。
しかし実際には、金利はじわじわと上がり始めていますし、また金利だけで決めてしまうのも危険です。
住宅ローンは何千万円という借金を数十年かけて返済する一大プロジェクト。
景気動向や家計状況、ライフイベントなどを総合的に踏まえて判断しないと、後悔してしまう可能性があります。
そこで、本記事では、住宅ローンを組むべきタイミングを冷静に見極めるための 5つのチェックポイントを解説していきます。
◆賃貸か持ち家かで迷っている方
◆結婚などを機に将来のことを検討したい方
そもそも今が“買い時”なのか見極める
不動産価格の動向はどうか
近年は都市部だけでなく地方でも価格が高止まり傾向になっています。
最新の住宅価格指数を見てみましょう。
<2024年7月の住宅価格指数(全国・地方別)>
| 地域 | 住宅価格指数 (2010年=100) |
|---|---|
| 全国 | 137.3 |
| 北海道地方 | 151.6 |
| 東北地方 | 131.7 |
| 関東地方 | 149.3 |
| 北陸地方 | 126.2 |
| 中部地方 | 112.0 |
| 近畿地方 | 145.0 |
| 中国地方 | 114.3 |
| 四国地方 | 118.3 |
| 九州・沖縄地方 | 145.7 |
出典:国土交通省「不動産価格指数(令和6年7月)」
この表からも分かる通り、2010年の水準を100として、全国平均で約1.38倍に伸びています。特に北海道、関東、九州、沖縄では全国平均よりも高い指数になっています。
今から検討される方は今の水準を100としてこれから住宅価格がどうなっていくのかを予想しながら検討する必要があります。
〈ちなみに、私の場合でいうと、、、〉
ちょうどコロナ禍に突入するくらいに家を建てました。コロナによって、トイレなどの必要な設備が手に入りづらくなったり、木材が高騰するなどしていたので、かかる費用も増える一歩手前のような状態でした(実際には追加費用はかからなかった)。
木材の高騰などは不動産価格にも大きく影響する出来事だったので、突発的なイベントの発生にも注意する必要があります。
- マンションは2013年頃から急激な上昇が続いており、住宅総合指数を牽引
- 戸建て住宅や住宅地は横ばい〜緩やかな上昇傾向
- 地域によって住宅価格指数の伸び方に差が見られる
- 何が不動産価格に影響するかわからない。突発的なイベントにも注意しよう
金利水準はどうか
変動金利は依然低水準ですが、固定金利はじわじわと上昇傾向になっています。
長期で見ると、今の水準は昔と比べて圧倒的な低金利と言えるので、今住宅ローンを組んでも損しないように見えますが、「変動金利」などを選ぶ場合、金利が今後上昇する可能性も考慮して考える必要があります。
<日本の住宅ローン金利の推移(1986年〜2025年)>
| 年 | 変動金利(基準金利) | 固定金利(フラット35) |
|---|---|---|
| 1986 | 7.20 | 5.40 |
| 1990 | 6.50 | 4.55 |
| 1995 | 4.00 | 4.35 |
| 2000 | 2.375 | 2.80 |
| 2005 | 2.375 | 2.23 |
| 2010 | 2.475 | 2.57 |
| 2015 | 2.475 | 1.47 |
| 2020 | 2.475 | 1.85 |
| 2023 | 2.475 | 1.87 |
| 2024 | 2.625 | 1.87 |
| 2025 | 2.625 | 1.87 |
出典
- 2024年以降、政策金利引き上げの影響などから、全期間固定・変動金利ともにじわじわと上昇している傾向にあります。
- 実質的な適用金利は、優遇幅やキャンペーンなどで基準金利よりも大幅に下る場合が多くあるので、各金融機関ホームページなどを確認してください。
ライフイベントとのタイミングはどうか?
転職・出産・子どもの進学など、大きな出費が近い時期は慎重に行動するのがおすすめです。
やはり住宅の購入は家計にもある程度、大きな影響を与えます。
事前にわかっているような出費があり、ローン返済などにも無理が発生しうる可能性があるのであれば時期を改めるのもひとつです。
〈ちなみに私の場合でいうと、、、〉
ちょうど家を建てているときに妊娠が発覚しました。
さっそく奥さんも産休に入るなどの事態になったため、しばらくは家計が苦しい部分もあったと思います。
ただ、子供が生まれてからで言うと、娘が夜泣きしたりしても周りのことを気にしなくて済むというのはとても気持ちが楽でした。子育ての環境として考えると、タイミングが良かったなと思う部分もあります。
無理なく払える返済額を設定する
返済比率の目安
返済比率は年収の25%以内が安全圏、少し余裕をもたせるなら35%以内が目安と言われています。
ご自身の年収に対して、可能な返済額がどの程度なのかを確認しておきましょう。
※返済比率とは?:年収に対する年間のローン返済額の割合(家だけでなく車なども含む)
<年収別の返済比率・負担率と返済額>
| 年収 (万円) | 返済比率25%(年間/月々) | 返済比率35%(年間/月々) |
|---|---|---|
| 300 | 75万円 (6.25万円) |
105万円 (8.75万円) |
| 400 | 100万円 (8.33万円) |
140万円 (11.67万円) |
| 500 | 125万円 (10.42万円) |
175万円 (14.58万円) |
| 600 | 150万円 (12.50万円) |
210万円 (17.50万円) |
| 700 | 175万円 (14.58万円) |
245万円 (20.42万円) |
- 返済比率は金融機関の住宅ローン審査で重視される指標です
- 返済比率が低いほど、返済負担にゆとりがあり破綻リスクが下がるため、一般的には30〜35%以下が審査基準の目安とされています
- ただし、金融機関や商品によって基準が異なり、年収によっても上限が変わる可能性があります
(例:年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下など)
生活費とのバランス
次に大事なのが生活費とのバランスです。
住宅ローンの返済額は「家賃の延長」ではなく「生涯の固定費」として考えましょう。
無理なく、生涯に渡ってその返済額を負担し続けられるか、冷静になって考える必要があります。
まずは想定される固定費や、新たに増えるであろう支出などを洗い出してみて、家計に無理なく捻出できるかをチェックしてみましょう。
シミュレーション活用
金融機関の住宅ローンシミュレーターで複数パターンを試してみることも重要です。
だいたいどの金融機関の公式サイトでも住宅ローンの返済額を試算できるシミューレーション機能がついています。
検討している金融機関の商品や優遇幅に合わせて金利を設定し、「返済年数」「ボーナス返済の有無」などによってどの程度変わってくるのかをチェックしてみましょう。

金利の最新動向を必ずチェック
変動金利と固定金利の差
一般的に変動金利は基準金利が低く設定されているため魅力的に見えますが、長期的には上昇するリスクも抱えています。
いま現時点の水準でどちらを選ぶのが最適なのか、しっかりと検討しておきましょう。
〈私の場合でいうと、、、〉
ちょっと、私が住んでいる地域が特殊なんだと思うのですが、一定期間の契約で固定というタイプのものが主流だったので、それを選びました(例えば2年契約だと2年間は固定、2年後に再度その時の基準で何年固定にするか選び直すというイメージ)。
首都圏などでは変動金利を選ぶのが一般的とも聞くので、その地域に根ざした専門家(銀行員など)に相談するのが一番良いかと思います。

金融機関の優遇金利
金融機関ごとにキャンペーンや特典などが用意されていることがあり、表面の基準金利より実質的な負担が下がるケースが多くあります。
だいたいは「給与受け取り」や「口座振替」などをセットすると優遇を受けられるというものが多いです。
キャンペーンや優遇特典は不定期な場合もあるので、検討する金融機関のこれまでの動向などをチェックしてみると良いかもしれません。

団体信用生命保険(団信)条件
金利と同様に、団体信用生命保険の保障内容も必ずチェックしておきましょう。
団体信用生命保険とは、死亡や高度障害発生時など万が一のことがあった際に支給され、住宅ローンの残高を返済できる生命保険のことを指します。
一般的に団体信用生命保険は、住宅ローンを借りるときにしか加入できないものであるので、将来のことを考えながら、保証内容が十分だと思えるものを選択しましょう。
▼ちなみに持病持ちの私は少し苦労しました。そんな体験談も記事にしています。
審査で重視されるポイントを知る
一般的には以下のことが重視されると言われています。
ご自身が当てはまることはないかチェックしておきましょう。
- 年収・勤務年数:一般的に勤続3年以上が有利。
- 信用情報:カード延滞、他ローン残債はマイナス評価に。
- 健康状態や保険加入可否:団信の可否にもつながるため重要。
▼団信に加入できない場合は、住宅ローンが組めない可能性もあります。
将来のリスクに備える生活設計
また、将来のリスクに備えて生活設計を行うことも重要です。
どんな将来のリスクが考えられるかを3つあげてみました。
- 教育費とのバランス:子どもが小さいうちは余裕でも、高校・大学進学時に家計が圧迫される可能性があります。
- 老後資金の確保:住宅ローン完済と同時に老後資金も用意できる計画をしておきましょう。特に最近は40年など期間の長いローン商品も多く登場しています。
- 収入減リスク対策:万が一のことがあり、急に仕事ができなくなった場合などにも備えておきましょう。貯蓄、保険、予備費で備える準備はできていますか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
住宅ローンは「借りられる金額」ではなく「返せる金額」で組むのが鉄則です。
現在の金利や不動産価格だけでなく、自分や家族の将来像を踏まえ、5つのチェックポイントを1つずつ冷静に確認してから決断しましょう。
焦らず、後悔のないマイホーム計画を建てられますように。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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